2013年10月20日(日)

第48回工嶺祭

今年の工嶺祭は学校が50周年ということもあって、映像制作部もちょっとだけ気合いを入れて取り組みました。
どんなところに気合いを入れたのかというと、それは(またしてもw)「画質」です。
昨年の工嶺祭で初めて取り組んだHD録画に続いて、まーた画質厨のくだらんこだわりかと思われるかもしれませんが、今までの工嶺祭ではカメラの出力やパソコンの出力、プロジェクターへの最終的な出力まで全てがアナログテレビと同じNTSCコンポジットでした。身長よりも高さのあるプロジェクターのスクリーンにアナログテレビの残念画質なんて、この地デジのフルHDが当たり前の2013年に、時代遅れすぎると思いませんか?

しかし、画質向上が簡単にできるならとっくにやっています。工嶺祭ではカメラのリアルタイムの映像と、パソコンから出す動画やパワーポイントを切り替えて複数のプロジェクターに出す必要があるのですが、映像をスイッチングするブースと各カメラをつなぐケーブルの長さは計100m以上にもなるので、それらのケーブルを全て買い替えるとなると、とても一年の予算では足りません。しかも一部のカメラはHD出力に対応していません。
一方、ブースにあるパソコンは楽々HDで出力できます。14-1.jpg14-1.jpg
ということで、ブースとカメラは今までどおり残念画質でつないで、ブースに集めたらアップスキャンコンバータでVGA信号に変換することで、パソコン出力をVGAのままスイッチングしてプロジェクターに出せるようにしました。
VGAの切り替えには電子式のスイッチャ(配線切り替え式じゃないもの)を使用したので、切り替え時のノイズとかもなくて良好だったのですが、難点を挙げるとすれば、プロジェクタとの距離があるので切り替えに2秒くらいかかってしまうことでしょうか。
そして、これはオールインワンの高級スイッチャ使わない場合の宿命ですが、配線がひどい有様です。ある人には退化したんじゃないか、とか言われましたが、操作性とかはものすごく向上しているんですよ。14-2.jpg14-2.jpg
じゃあ、本題の画質は?と言われると、そこは少々微妙なのです。もちろん昨年と比較すれば、かなりきれいになりましたが、メインの巨大スクリーンがたゆんだ白い布なので、そこでどうしようもない画質劣化が起こってしまっているのです。
今年に関して言えば、画質厨の自己満足程度の変化しか聴衆の目には映らなかったかもしれませんが、スクリーンを変えるだけで劇的に画質が向上する可能性を秘めていますし、操作性も向上し、安価で質のいい分配器で柔軟性の高い配線ができるVGAを導入したメリットはあったと思っています。
青い端子でおなじみのVGAは長いこと使われてきましたが、今は落ち目の規格です。
VGAへのアップスキャンコンバートに使ったI-O DATAのVABOX2はS端子を使うだけでかなり画質も良くなることで有名な製品だったのですが、今年で販売終了してしまいました。もともと、家庭用ゲーム機をPC用モニターでプレイする需要のために存在していた製品なので、HDMI端子がゲーム機にも付くようになった今では需要激減なんでしょう。
地デジ化以降の放送業界のスタンダードはHD-SDIのようですが、分配器とかが高すぎるので、VGAのプロジェクターが主流の学校レベルでは今からでもVGAメインにしても遅くないと思いますよ。
文化祭で映像出してる学校なんてたくさんあると思うのですが、他のところはどんな機器使ってるんでしょうね。
まあ、8つもの映像ソースを5台のプロジェクターにスイッチングしてる学校なんて、うちくらいなものでしょうが(どや顔)

画質の話はこれくらいにして、今回の工嶺祭で経験したことを2つほど書き留めておこうと思います。

工嶺祭はじめの前夜祭で、思ったとおりのカメラが選択できないというスイッチングトラブルに見舞われました。同じスイッチを押しても選択されるカメラが変わるという、摩訶不思議な現象でした。
詳しい原因は分かっていないのですが、一番上のブースの写真の左下の方に赤いBOSSと書かれたシールが張ってある、昔(といっても8年ほど前)の偉大な先輩が自作されたサブスイッチャが不調をきたしたと考えられます。当日は電源を入れなおすだけでは直らず最後まで頭の中が大混乱でしたが、翌日コンセントの元電源が切れたらいつの間にか直ってました。はい、万事解決。
ちなみに、トラブルがなく緊張感も抜けた翌日の中夜祭では、3台のカメラのテープ交換のタイミングをミスり、記録がない空白の時間を作るという失態をやらかしました。これはもしかして、サブスイッチャおかしいままの方が最終的な結果は良かったのでは?

もうひとつ経験したことは、出力を下げないままオーディオケーブルを抜き差しすると音声さんに怒られるということです。パソコンのイヤホンジャックとかとは違って、巨大な音響システムはノイズに敏感らしいです。
ちなみに、抜いたオーディオケーブルは結局元に戻したので、音声さんが耳を痛めただけという結果に… 音声さんごめんなさい。これを読んでる後輩の皆さんは、音声さんの耳をいたわってあげてください。

自分は留年さえしなければ来年度から映像制作部にかかわることは無くなります。5年間ずーっと部室の主のように居座り続けた身としては非常に寂しい限りですが、自分の知らないところで映像制作部が進化(or退化)していくというのは、それはそれで楽しみではあります。もし機会があれば10年後(2023年)くらいに映像制作部の様子を見に来たいです。普通にアナログVGAやNTSCコンポジットが現役バリバリで使われていそうな気がしてしょうがない。